『チューイングガム』 | |
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初出誌 各項目参照 | |
<単行本> | |
角川書店 1990年(平成2年)12月25日発行 | |
195頁/ISBN:4-872615-3 | |
あとがき 196〜197頁 | |
<文庫本> | |
角川文庫 1993年(平成5年)5月10日発行 | |
196頁/ISBN:4-04-171007-3-4 | |
あとがき 197〜198頁 解説/川村毅 | |
<文庫本> | |
幻冬舎文庫 1997年(平成9年)6月25日発行 | |
199頁/ISBN:4-87728-476-1 | |
あとがき 200〜201頁 解説/加藤和彦 | |
『野性時代』に一話完結の形で連載された連作短編集。COCOがRUFUSという黒人男性と知り合い、恋をし、ついに結婚するまでの過程が、COCOとRUFUSの両方から交互に描かれており、山田詠美自身の結婚がベースとなっている。この作品の魅力は男女の恋愛が、結婚へと変化していく過程が、双方の目を通してロマンチックに描かれている点で、多くのファンからの高い評価を得ている。また、COCOは「あなた」(=RUFUS)に向かって、一方RUFUSは「きみ」(=COCO)に向かって語りかけている形なので、読者はまるで自分に語りかけられているような心境になるのもこの小説の大きなポイントだ。恋愛について、結婚について考えたい時にヒントとなる言葉が散りばめられており山田詠美の恋愛観、結婚観が色濃く反映されている恋愛結婚小説である。なお、本とびらの部分には「This
book is dedicated to My husband Craig R. Douglas」と記されている。 主な評論に次のようなものがある。 「IN&OUT 詩人の書斎プラウド・オブ・ユー『チューイングガム』」佐々木幹郎著 『東京人』1991年4月号148〜149頁 「ウェット タオル (Wet Towel)」 初出誌 『野性時代』1990年3月号 130〜137頁 ココとルーファスの出会いが描かれている。しかし、この時、まだココには前の男がいた。 「ウァッツ テイスティ (What's Tasty?)」 初出誌 『野性時代』1990年4月号 70〜77頁 ココはルーファスからの初めての電話を受ける。そして、ココとルーファスは初めてデートをする。ココの前の男は嫉妬のために怒ったが、二人は別れる。 「バック ステージ(Back Stage)」 初出誌 『野性時代』1990年5月号 448〜455頁 ココは親友のミミと恋愛について語り合う。本当に価値のあるものとはいったいどういうものなのか。大人の恋愛というのはどういうものなのか、について考えさせられる。 「メイク A ウイッシュ(Make A Wish)」 初出誌 『野性時代』1990年7月号 442〜449頁 ココとルーファスは休暇を取り、南の島へ行った。二人の関係は色恋の段階から愛へと変化しつつあった。 「キッチン スポンジ(Kitchen Sponge)」 初出誌 『野性時代』1990年8月号 200〜202頁 ルーファスが生活において必需品となったココはルーファスと一緒に暮らし始めた。 「ビロング 2 ユー(Belong 2 You)」 初出誌 『野性時代』1990年9月号 204〜215頁 ルーファスの故郷であるN.Y.に行き、ココはルーファスの家族に紹介される。そして二人は婚約する。 「プラウド オブ ミー」 初出誌 『野性時代』1990年10月号 332〜339頁 二人はついに結婚式を迎える。結婚式を挙げるまでのそれぞれのエピソードがロマンチックに描かれている。 「チューイングガム(Chewing Gum)」 初出誌 『野性時代』1990年11月号 252〜259頁 ルーファスはココを人に紹介する時、とても誇らしそうに「This is my wife」と言う。それを聞いたココは嬉しく思う。 |